
回復期リハビリテーション病棟
リハビリテーション科医長 岩田裕子 医師
大田市は高齢化率が38%を越え、入院する患者さんの多くは、入院の契機となる原疾患のほかに多くの基礎疾患をもっています。また、疾病以外にも独居や山間地での生活、経済状況など、生活環境でも多様な問題を抱え、在宅療養に対して多数の困りごとを抱えている場合もあります。さらにご家族の身体的な介護量の負担や介護保険の利用負担額の軽減という意味でも、リハビリテーションは無くてはならない機能の一つになっており、大田市立病院では、2015年に介護医療病床から回復期リハビリテーションへ病床の転換をおこないました。
回復期リハビリテーション病棟では、医師は各診療科の主治医と連携しながらリハビリの具体的な目標、運動負荷量や注意点を明らかにし、多職種と連携してリハビリテーションの進行管理、ご家族へのリハビリ経過、回復の見込みを説明し、制度や社会資源を活用して再びもとの生活を取り戻す支援をおこないます。
この病棟では現在13人の療法士を配置しており、患者さんは1日2時間程度のリハビリに取り組んでいます。看護スタッフが24時間を通じて体調管理を行い、リハビリの効果が寝起きや歩くといった基本動作、着替えや洗面、入浴、トイレなどの生活動作に反映されるよう援助しています。
退院前には、患者さんやご家族、ケアマネージャーと一緒に自宅を訪問し、患者さんに生活動作をおこなってもらい、動作方法の指導や退院後必要な福祉用具の検討もおこなっています。社会福祉士や管理栄養士とも協働して退院後の生活も見据えながら、患者さんとそのご家族に、より身近で寄り添った関わりを目指しています。
