現在3名の常勤泌尿器科医が泌尿器科および血液浄化療法を担当し、主として尿路性器悪性疾患、尿路性器感染症、排尿障害、尿路結石症、慢性腎臓病などの診療を行っています。
泌尿器科で扱う検査・手術のご紹介
手術は膀胱癌に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術を中心に、尿路結石に対する経尿道的レーザー砕石術や透析患者に対するバスキュラーアクセス手術(内シャント)などを行っています。
女性泌尿器科診療に関しては、2013 年より骨盤臓器脱(膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤など)に対する TVM 手術を開始しました。
当院は、島根県で排尿機能検査を行っている数少ない施設の一つです。
排尿障害に関連する新しい手術を県内で先駆けて開始し、患者さんの治療選択の幅を広げております。
前立腺肥大症に対する低侵襲手術においては、『経尿道的前立腺吊り上げ術(UroLift)』と『経尿道的水蒸気治療(WAVE 治療・Rezum)』の両方を行うことのできる数少ない施設の一つです。
また、難治性過活動膀胱に対する『ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法』や、腹圧性尿失禁に対する『TVT手術』、ハンナ型間接性膀胱炎に対する『膀胱水圧拡張術及びハンナ病変の経尿道的凝固・蒸散術』、『ジメチルスルホキシド膀胱内注入療法』も行っており、患者さんの QOL を高めることを重視して、治療を選択しています。
尿路結石に対する経尿道的手術については、近年普及してきているディスポーザブルの腎盂尿管スコープや持続潅流可能な吸引式腎用アクセスシースを用いることで、良好な視野を保ち、より安全に行う方式を当院でも導入しています。
前立腺癌は前立腺特異抗原(PSA)による前立腺癌のスクリーニングが広く普及したことで、早期診断・治療が可能となりました。
また、グレーゾーンである PSA4.0~10.0 の場合、癌組織由来PSAの割合を測定する S2.3PSA%検査を始めました。
こういった検査により前立腺癌を疑う症例に対しては経直腸的前立腺多部位生検により確定診断を行い、臨床病期に応じて治療方針を決定し、手術適応の場合は、島根大学病院や県立中央病院へロボット手術目的で紹介しております。
前立腺癌は放射線療法も有効であり、島根大学病院や県立中央病院と連携することで治療法のひとつとして選択することが可能です。
当院では内分泌療法や新規薬物療法、内分泌療法後の再燃前立腺癌に対するドセタキセルやカバジタキセルを用いた化学療法を行っているほか、島根大学病院で臨床遺伝診療部と連携することで、当院でゲノム医療を受けることができます。
また、進行腎細胞癌や尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂尿管癌)に対する最新の薬物療法も当院で行うことができます。
慢性腎臓病については、保存期には食事療法や薬物療法の保存的治療を行い、末期慢性腎不全に進行した症例に対しては血液透析および腹膜透析療法を施行しています。
当院の血液透析ベッド数は16床で、現在、最大で48名の患者受け入れが可能です。2007 年 4 月の大田姫野クリニック開院以降は同クリニックと緊密な連携の上で機能分担を図り、当院の役割は外来維持透析の他に、バスキュラーアクセスの造設、新規の血液透析療法導入、合併症発症時の入院透析などとしています。
また、腹膜透析(PD)においてはホーム PD システムかぐや(自動腹膜灌流用装置)とクラウドベース通信プラットフォームであるシェアソース(腹膜透析用治療計画プログラム)を導入し、PD 治療の遠隔患者管理を行っています。
さらに腎移植も積極的に推進すべき有効な治療法と考え、希望があれば島根大学病院に紹介しており、条件が整えば生体腎移植を受けることが可能です。
医師会の皆様へ
当院では、排尿機能検査を積極的に行うことで、きちんとした評価の後に適切な治療を受けることができます。
また、治療の選択肢を広げるため、他院に先駆けて排尿障害に関連する新規の手術を導入いたしました。
過活動膀胱および神経因性膀胱の治療は、生活指導、骨盤底筋訓練などの理学療法、膀胱訓練などの行動療法と薬物療法が優先されますが、十分に症状を管理できない場合の選択肢の一つとして、『ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法』があります。
当科では 2020 年 12月に難治性過活動膀胱に対する『ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法』を島根県で初めて行いました。以降、定期的にこの手術を行い、良好な成績を収めております。
この手術は、低侵襲の日帰り手術として施行可能で、幅広い患者層で行うことができます。
また、前立腺肥大症に対する新規手術として 2022 年4月に保険収載された『経尿道的前立腺吊り上げ術(UroLift )』を、2023年1月に島根県で初めて行いました。
この手術は、前立腺の中にインプラントを埋め込むことで尿道を開通させ、排尿をスムーズにする治療法で、従来法と比較して出血が少なく、性機能温存が期待できる方法です。
2024 年からは、肥大した前立腺の腺腫に針を刺して 103℃の水蒸気を注入し腺腫を退縮させる「経尿道的水蒸気治療(Rezum™)」を開始しています。これらは、極めて低侵襲手術であることから、高齢化率が 4 割を超えている大田医療圏において求められている治療法であり、今後、積極的に行っていきたいと考えております。
今後ますます泌尿器科疾患や腎疾患が増加すると予想されますが、お困りのことがありましたらお気軽にご紹介ください。

