H25.2 「トリガーポイント注射」体験記
麻酔科部長
福田 正子 医師
暦の上では立春も過ぎましたが、まだまだ寒い日が続いています。
この季節、肩こり・腰痛・神経痛などをお持ちの方にとっては特につらいものです。
かくいう私もその一人で、あちこちの痛みに日々奮闘しています。
ところが先日、数日間続く頑固な痛みに耐えきれず、ついに当院ペインクリニック外来に駆け込み、トリガーポイント注射を受けるという初体験をしました。
トリガーポイント注射とは
「トリガーポイント「とは、多くは筋肉の中にできる硬く凝り固まった部分で、そこを押すと痛みの「引き金=トリガー」となる部分を言います。東洋医学での「つぼ」ともよく一致していると言われています。
慢性的な痛みが続くと筋肉にしこりができ、痛みを起こす物質がたまり、さらに痛くなる。痛いから動かさない、動かさないから血液のめぐりが悪くなり、さらに痛みのもとがたまるという悪循環が起こります。
トリガーポイント注射とは、その部分に局所麻酔薬を注入することで筋肉を柔らかくし、血液を改善し痛みのもとを洗い流してやる治療で、痛みの悪循環を断ち切る効果があります。
日頃から動作や姿勢に心がけを
トリガーポイント注射と同じような効果が期待できるものに、鍼、灸、温熱療法、マッサージ等もあるかと思います。ただ、注射も含めてこれらは痛みの悪循環を断ち切るきっかけ作りでしかありません。
痛みの少なくなった間に、無理のない範囲でどんどん体を動かしてやりましょう。別にたいそうな運動をする必要はありません。お仕事でいつも決まった姿勢で同じ動きをしていれば、時にはいつもと反対の動きをして筋肉のストレッチをするのもよいでしょう。お風呂でゆっくり温まって、痛いところや手足のつぼをマッサージするのもよいでしょう。
大切な事は、日頃から痛みの悪循環を作らないような動作や姿勢に自分なりに心がける事かと思います。
救世主、現る
さて、注射を受けた私。翌日の朝、いつも起きた時に感じる首の激痛が半分以下に、そしてその日の夕方、痛みで回らなかった首が、なんと、楽に回るようになったのです。意外な効果に自分でもびっくり。ペインクリニック外来の某先生が私の救世主に見えた瞬間なのでありました!?