
第10回 帯状疱疹について
皮膚科医長 菅谷 恵美(前任)
帯状疱疹は、いわゆる”どうまき”と言われているものです。
症状は、多くの場合、神経痛・筋肉痛のような痛みからはじまり、それに続いて痛みのある場所の皮膚に米粒大位の赤い発疹が数個ずつ集まってでき、それが全体としては帯状に並んでできてきます。その後、赤い発疹の中に水ぶくれが目立ってきます。 胴体だけでなく顔や腕や太ももなど体のどこにでもできる可能性があり、ほとんどの場合、体の片側だけにできます。
原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるウイルスによるものです。
皆さんは子供の頃水ぼうそう(水痘)にかかったことがありますか。たまに、大人になるまでかからない方がおられますが、成人するまでにほとんどの方が水ぼうそうのウイルスに感染すると言われています。 このウイルスが水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるものです。 このウイルスはやっかいなウイルスで、一度水ぼうそうにかかると水ぼうそうが治った後も体の中に潜んでいます。
潜んでいる場所は、体の中心に近い神経の中です。ただ潜んでいるだけならいいのですが、ある時(多くは体調が悪い時に)このウイルスは神経の中であばれだし、神経を伝って皮膚の表面に出てきます。これが帯状疱疹です。 帯状疱疹になったら、ストレスや過労をさけ睡眠と栄養を十分とって体調を良くすることが大切です。また、症状がひどくなったり、合併症がおこったり、後々まで痛みが残ることがありますので、できるだけ早く診察、治療を受けてください。
治療は、症状に応じウイルスを抑える薬や鎮痛剤などで治療します。
