育成塾vol.18を開催しました
第18回目の育成塾は、島根大学医学部放射線医学講座 教授 楫 靖先生を講師にお迎えし、『学生・研修医に画像診断を教える~客観的評価で力を伸ばす~』と題し、ご講演いただきました。
楫先生は日本の放射線診断領域の第一人者としてご活躍されながら、昨年8月より島根大学医学部の教壇に立ち後進の指導をされています。そんなスペシャルな楫先生は、なんと大田市出身でいらっしゃいます。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」
この言葉は、元プロ野球監督の野村克也さんが語られた言葉として知られています。
楫先生は「我々医療職も肝に命じなければならない言葉。常に謙虚さを持ち続けること、そして上手くいかなかった場合は、なぜ上手くいかなかったのか、その要素を抽出し次に備える必要がある。医学知識が加速度的に増大していく中で、全てを教えることは難しい。『やり方』を教えることが大切であり、それには客観的評価が重要である。」と説かれました。
楫先生がご紹介されたのは到達目標と達成基準を具体的に記述した「ルーブリック」を用いた評価法です。その内容は、ルーブリック上での学生の自己評価に教員が客観的評価をつけ、評価のギャップが生じた部分にアドバイスを送るというもの。これにより学ぶべき箇所が明確になり、効率よくレベルアップにつながるなど、教員・学生の双方に様々なメリットをもたらします。
また、実際に研修医や医学生に対してCT・MRI画像診断の教育場面を再現していただくことで、具体的に現場を想像をしながらお話を聞くことができ、質疑応答も大変な盛り上がりを見せました。
聴講者からは、今回楫先生に教えていただいた心得、評価法などを参考にし、当院での医学教育もさらに発展させていきたいとの感想が聞かれました。
今後も育成塾を通して、院内全体の医学知識向上のための取り組みを続けていきます。
※本会は手指消毒・換気・マスク着用の上、実施しました。