ウクライナ研修報告
~総合医療学から世界の医療に向かって~
島根大学医学部総合医療学講座
大田総合医育成センター 野宗義博
我が国では、約3年前に福島原発の事故を経験し、今後の健康被害も懸念されていますが、実は20年前にチェルノブイリ原発事故が発生し、甲状腺がんの発生など様々な健康被害が報告されてきました。福島原発事故とチェルノブイリ原発事故とは、その様相は大きく異なりますが、今でも低濃度汚染が持続しており、今後の健康への影響が心配されています。総合医療学講座としては、核被ばく医療を考慮し、福島県の住民の皆様の甲状腺検診に加えて、チェルノブイリ原発事故以来多くの症例を経験してきたウクライナ共和国キエフ市の小児産婦人科研究所ならびに内分泌代謝研究所(いずれもウクライナ医学アカデミー付属研究機関)での研修の機会を君たちに考えています。と言うのも、これらの研究所は、キエフで最大の白血病治療センターであり、甲状腺がんの最も手術件数の多い医療機関です。
この度、私は卒後研修医2名(杉原一暢先生、奥村信人先生)とで両研究所を訪れ、島根大学医学部の卒後研修の一環として被ばく医療の海外研修の場として受け入れを要請して来ました。
今後、被曝医療への関心と熱意と好奇心の旺盛な研修医を、ウクライナに派遣して、海外での研修を応援いたします。被曝医療の研修に加えて、ウクライナでの医療状況、また、世界一美人の多いウクライナでロシア語の語学研修も兼ねて、海外研修をしませんか?
さあ、平成の竜馬のような若き研修医よ、世界の医療人として、海外に飛び立ちませんか?