第91回 『ご存知ですか? 放射線科医について』
放射線科は、あまりなじみのない科だとおもいます。
しかし、みなさんも胸や骨、乳房などのX線検査を一度は受けたことがあると思います。
検査後に、画像を見て異常があるかないかを判断(読影・どくえい)しているのは、外来担当の先生だけではなく、放射線科医も行なってます(当院では、X線に関しては乳房の場合のみ全て読影し、乳房以外は依頼があったときのみ読影しています)。
X線以外ではCT、MRI、RI(核医学検査)検査の読影を行なっています。これらの検査は、精密検査として病院ではよく用いられていますので、みなさんもどこかで聞いたことや受けたことがあると思います。現在は、むしろX線検査よりもこれらの検査の読影が主な仕事となっています。
また当院では、近隣の開業医の先生方からも検査以来ができるようになっています。
この場合、当院で画像を撮影し、画像と読影結果を先生方にお送りしています。放射線科医がいない病院もありますので、このようにして地域の病院との連携も行なっています。
最近では、仁摩診療所や加藤病院で撮影されたCT画像が当院でも見られるようになっており、これらはこちらで読影しています。
読影以外の仕事としては、血管造影(肝腫瘍の治療、透析の方のシャント血管の狭窄部の拡張など)、膿瘍の排膿、生検(組織を針で取り、悪性か良性かを判断)などを行なっています。
今までかいてきたように、放射線科医の仕事は主に他科の先生からの依頼のもとに行なっています。患者のみなさんにお会いすることは少ないのですが、外来担当医以外にも影でみなさんの健康を支えている科でもあることを、みなさんご存知でしょうか?
大田市立病院 放射線科医長 神山 和俊