
第56回 今日から子どもさんの事故予防を
小児科医長 大家 隆晴
子どもの死亡原因の第1位(0歳児を除く)をご存じでしょうか?答えは、不慮の事故です。
1960年以降、不動の第1位です。死亡事故1件に対して、入院を必要とする事故が65件、外来受診を必要とする事故は4,500件、家庭で処置を必要とする事故は10万件、無処置で様子をみる事故は19万件と推定され、毎日膨大な数の事故が発生しています。
子どもの発達にともない、起こりやすい事故のパターンは決まっています。事故の6割以上は家庭内で起こります。今回は、家庭内での事故予防の具体策をご紹介します。
口に入るものは、すべて誤飲の原因になる可能性がありますので、そういった物を使用した後は、直ちに高さ1m以上の所へ置き、薬や鋭利なものなどは、鍵がかかるところに保管するなどします。
豆類は、気道異物事故の原因第1位です。乳幼児には危険な食べ物です。
たばこは誤飲発生数の第1位です。「子どもさんの前では、禁煙してください。」
テーブルクロスは、極力やめましょう。クロスを引っ張って落ちてきたポットや食器で頭にケガ、落ちてきた薬を飲んで急性中毒を起こしたという事例があります。
お風呂場には、溺水・熱傷・転倒の危険がつきものです。浴室の入口には鍵をかけ、入浴は大人と一緒にしましょう。
子どもはよく転びます。先のとがったものを持って歩かせてはいけません。
子どもの歩くところに新聞紙・マット・電気コードや段差はありませんか?じゅうたんは全面に敷いてください。
また、転倒時の衝撃を和らげるため、家具の角にはカバーをつけ、サッシは強化ガラスにするか、飛散防止フィルムを貼り付けます。
注意点、予防策等はまだまだたくさんありますが、各々の生活状況を見直して、実情にあった予防策を実行し、お子さんの事故防止に努めましょう。
