
第37回 ウィルスによる病気
総合内科(内科系診療部副部長) 赤木 収二
寒さが厳しくなり、全国的にインフルエンザの流行が報じられるようになりました。
インフルエンザは、いわゆる普通の『かぜ』とは違い、39度以上の発熱、頭痛、関節痛等全身症状を伴うもので、特に高齢者や小児で重症化することのある病気です。 これは、インフルエンザウイルスというウイルスが原因です。ウイルスが原因となる病気には様々なものがありますが、最近よく耳にする肝炎もインフルエンザと同様、ウイルスが原因の病気です。
最近の医学の発展に伴いこれらの病気に対して、様々な対策、治療が可能となっています。
感染予防対策として予防接種があり、インフルエンザの場合、予防接種をしていれば、70~80%の人はインフルエンザにかからずにすむか、かかっても軽症ですむことがわかっています。 さらに、安静や水分補給等の対症療法が主体であったインフルエンザの治療もウイルスを退治する薬が開発され、インフルエンザにかかってから、早期にこれを服用するとよく効きます。このように最近の医学の進歩で、かつては命を脅かすようなウイルスによる病気も、かなり克服されるようになりました。
しかし、最近よく報道されるように、これまで全く知られていなかった新たな病気『重症急性呼吸器症候群(SARS)』や数年発症の報告がなかった『鳥インフルエンザ』のような新型インフルエンザが流行すれば、かなりの感染者がでると予想されます。 しかし、厚生労働省等の保健機関の取り組みや研究の進展等により、これらも克服されることが期待されます。
みなさんには、報道や保健所等の情報に気を配り、気にかかる症状がでれば、早めに医療機関を受診されることをお勧めします。
