
第78回 地域医療の健全な継続のためにご協力を
新年度を迎え、入学や進学・就職など環境が変わった方も多いことと思いますが、お元気でお過ごしでしょうか?
さて大田市立病院では、昨年度から医師、看護師不足が深刻化し、診療機能に支障をきたす事態に陥り、みなさんにご心配をおかけしております。
入院機能に関しては、昨年末から5階病棟を休止した状態で病床運営をしており、みなさんにはご不自由をおかけしております。また救急医療や産科医療でもさまざまな問題が山積しており、対応に大変苦慮している状況です。
どうしてこのような事態になってしまったのか、その理由は色々と言われていますが、医療の専門分化、少子高齢化、学生の都会志向や、看護師に関しては、2年前に実施された高度な看護体制の新設、医師に関しては2004年から始まった臨床研修制度による研修病院の自由選択などが関連しています。
また高齢化にともない、医療を必要とする患者さんの増加が予想されるにも関わらず、全国的に医師や看護師の育成数を抑えてきたことも一因と思われます。
いずれにせよ、医療従事者の確保が先決ですので、市立病院では看護師確保対策として、広報おおだ・ホームページをはじめとする各種メディアでの募集や年間を通じた随時募集、職員の処遇改善などに取り組んでおり、今年度には奨学金制度の設立、女性医師の確保を目的とする院内保育所開設を予定しております。
新規採用や産休からの職場復帰を含め、あと数人の看護師が確保できれば、5階病棟を再開し、全館体制で病棟利用が可能になる見込みです。
また、医師確保対策としては、島根県への要望や大学病院を始めとする医師派遣機関への要請を継続しておりますが、現時点は目処が立たず難航しているのが現状です。
これらの状態は、病院に勤務する人材の不足を背景にした全国的な問題ではありますが、このままの状態が続けば地域医療が崩壊する事態になりかねません。当地域におけるい2次医療(手術や入院治療)や救急医療の継続ができなくなることは、市民のみなさんが安心してその地域に住めなくなってしまうことを意味します。
大田市では、新年度から市立病院内に医療対策課を設置し、医師・看護師など医療従事者確保をより一層積極的に取り組むことといたしました。
みなさんのお知り合いに、医師や看護師資格をお持ちの方はいらっしゃいますか?
市立病院で働いても良いという方がおられましたら、ぜひ、市立病院の医療対策課(℡0854-82-0330) までご一報ください。担当課からご本人に連絡させていただきます。
地域医療の健全な継続のために、みなさんのご協力をお願いする次第です。
どうかよろしくお願いします。
大田市立病院 院長 岡田和悟
