第74回 健康は足もとから(靴のおはなし)
みなさんは、日ごろどのような靴を履いていますか?
スニーカー、革靴、パンプス等さまざまなものがありますが、足にあわない靴を履いて歩くと足の痛みや変形がおきたり、膝(ひざ)や腰に痛みが出たりすることもあります。靴は全身を支える足の土台となるものですから慎重に選ぶ必要があります。今回は靴選びについてお話したいと思います。
自分の足のサイズをご存知ですか?自分が知っているのは 「足のサイズ」 ではなく、履いている 「靴のサイズ」 ではありませんか?
最近は靴店でサイズを測ってくれたり、計測器が置いてあったりします。靴を選ぶ前に一度測ってみてください。
靴を履く前にチェックすることがあります。ひとつは、かかとがしっかりしていること。かかとがしっかりしていないと靴を履いたときに足首が不安定になります。かかとにあたる部分を、つまんでみてゆがまない付靴を選びましょう。裸足でつま先立ちすると足先から3分の1のところで曲がります。靴も同様に前から3分の1のところで曲がる靴を選びましょう。
最後に平らなところに置いて不安定でない靴を選びましょう。
つづいて試し履きをしましょう。靴を履いてみて先端に1cm~1.5cmの余裕が必要です。さらに歩いたときでも足先の余裕を保つために、靴ひもやバンドなどを締め、足の甲の部分で動かないように留められることも重要です。いちいちひもを結ぶのは面倒だと思われるかもしれませんが、足を守るためには重要なことです。
最後に両足とも履いて店内を歩いてみてください。かかとが抜けたり、つま先があったたりするようでは長時間履いていることは困難です。
自分にあった靴を履くことで足の痛みがとれ、歩きやすくなることがあります。もう一度自分の靴をみつめなおし、足もとから健康になりましょう。
大田市立病院 リハビリテーション科医長 小松 史