第28回 水虫について
皮膚科医長 菅谷 恵美(前任)
寒い季節がようやく終わり、暖かい季節になってきました。
みなさんがこのコラムを読まれる5月には青葉がキラキラと輝き、汗ばむ季節になっているだろうと思います。
そうなってくると、元気に活動しだすのが水虫です。
水虫の正しい病名は、白癬(はくせん)といい、いわゆるカビの一種、白癬菌によるものです。カビなので蒸れやすい足、陰股部は白癬菌が好む代表的な場所です。 それ以外にも皮膚のいろいろな場所にでき、それぞれ頭部白癬(シラクモ)、体部白癬(ゼニタムシ)、股部白癬(インキンタムシ)、足白癬(水虫)、爪白癬(ツメミズムシ)などと呼ばれています。
水虫は、治らないと思い込んでいる人もおられるようですが、今は良い薬がありますので根気よく治療していただければ治ります。
特に皮膚の水虫は塗り薬を毎日つければ、大抵の場合数ヶ月以内に治ってきます。 今は、1日1回外用すれば良いという薬が主流で、入浴後の外用が効果的です。
また、かゆみなどの自覚症状がなくなっても、まだ白癬菌が生きていますので、すぐに治療を止めると再発してくることになります。 完治するためには、治ったと思ってからさらに1~2ヶ月は治療を続けましょう。 例外として治りにくいのが、爪の水虫です。爪の水虫は塗り薬だけでは治りにくいので内服治療をお勧めします。
最後に水虫の予防法をお話しします。
とにかく清潔が大切です。入浴時には石けんで足の指の間までしっかり洗いましょう。そして、よく乾燥させましょう。 また、身近に水虫の患者さんがいる人は履物などを共有しないように、風呂場の足拭きも乾かして清潔にしましょう。
思い当たる症状のある人は、早めに治療を始めましょう。