第26回 手足のしびれについて
脳神経外科(地域医療支援部副部長) 福田 稔
手足の動きが悪くなったり、手足の感覚がおかしくなったりすることを手足がしびれると表現する方が多いと思います。
原因は様々ですが、いずれも脳や脊髄さらに手足の神経の神経組織に問題があります。 これらの神経組織に対して微生物が悪いことをしたり、血液の流れが悪くなったり、さらには腫れ物などができたりして症状がでるわけです
今回は手足のしびれのうち、脳神経外科でも治療を行う脊髄、脊髄神経の病気についてお話しします。
手足のしびれの原因として最も多いのは脊椎症と脊髄症です。原因の多くは年をとることなどによって脊髄・脊髄神経の周囲の組織が変化、変形し、これが神経に直接・間接的に影響してくることです。 このため手足がしびれたり、ひきつったりします。治療は、安静を保ったり、また逆に運動したり、肥満を改善したりと様々ですが、いずれにしても適切な指導を専門家から受けることが大切です。
中には広範脊柱間狭窄症や後縦靭帯骨化症という病気で症状が進行する方もいます。このような病気は適切な診断の後、場合によっては、難病の指定を受けていただき、治療を続けることが必要になります。頻度は少ないのですが脊髄の腫瘍や脊髄の血管の異常は、脳神経外科や脊髄外科で外科的治療を行う必要のある病気です。
脊髄・脊椎の病気に限りませんが、脳神経外科の患者さんを治療させていただいて、いつも思うのは、「ふとってきたら要注意」ということです。
是非、適度な運動や食生活など、日ごろの生活習慣の中で、適正な体重を維持し健康を増進していただきたいと思います。